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サイトスピードの新常識! 「ECサイトのLCPは1秒台」が勝ち抜く最低条件に

経済産業省の「令和4年度電子商取引に関する市場調査」によれば、2022年のBtoC EC市場規模は22.7兆円で、10年間で約2.3倍に増えました。同じ10年間で、ECサイトの数は約10倍とそれ以上のペースで増えていると言われています。



物販系BtoC-EC市場規模の経年推移「令和5年度電子商取引に関する市場調査」




消費者が買い物に使える時間やお金には限りがあるのにECサイトの数が増えれば、サイトの来訪者数を増やすことが必然的に難しくなります。その中でECサイトが売上を上げるためには、コンバージョンを上げることが最重要課題となります。

訪問者のコンバージョン率を上げるために、Web担当者はコンテンツの充実やサイトの動線の改善など、日々さまざまな努力をしています。その中で多くの担当者がその重要性を見落としている指標が、「サイトスピード」(サイトが表示されるまでの速度)です。


サイトスピードはコンバージョン率アップの救世主

昔から「Webサイトの表示は速いほど良い」とは言われていましたが、あらためてサイトスピードが注目されたのは、Googleが2015年半ばに「モバイルフレンドリーインデックス」としてSEO評価指標のひとつにサイトの表示速度を取り入れることを公表したことがきっかけでした。から、特に2021年半ばに導入を発表した「ページエククスペリエンスアップデート」では、す。このアップデートで、全てのサイトのSEO評価主な指標にの1つとして、サイトスピードを表す指標である「Core Wab Vital(以下CWV)」が含まれるようになり、サイトスピードを上げることがSEO対策の一環として重視されるようになりました。

ECサイトにとって、SEO上位になることはもちろん重要なのですが、サイトを表示した訪問者がコンバージョンしてくれなくては売り上げにつながりません。そしてサイトスピードは、コンバージョンについても大きな影響を与えることを示すデータがあります。、

Contentsquareによるデジタルエクスペリエンス・ベンチマークレポートによれば、ページの表示速度が2秒以上のページは1秒未満のページに比べてコンバージョン率が25%低下することがわかりました。


楽天グループが運営するECサイト「楽天24」の分析によると、CWVの中でもLCP(Largest Contentful Paint)スコアを上げることで、コンバージョン率が最大61.13%、ユーザーあたりの収益が26.09向上し、平均注文額が11.26%増加します。


ランディングページ(LP)プラットフォームの「売れるねっと広告つくーる」でサイト高速化施策を導入したところ、LPの表示スピードが2倍になるとコンバージョン率が最大1.6倍に向上しました。


コンテンツの改良や動線の改良などの施策に比べて、サイトスピードの改善はその方法が確立しており、かつ改善効果が客観的な数値で測定できるというメリットがあります。なおかつ、コンバージョン率の向上にダイレクトに効果があり、他の指標も改善されるのです。
逆に言えば、ECサイトがサイトスピードの向上に取り組まないことは、大きな機会損失であり、取り組まない理由はないのです。


サイトスピードの向上は様々な効果をもたらし、売り上げ増につながる。 


 
サイトスピードの向上は、ECサイトにおいて多岐にわたる好影響をもたらし、最終的に売上増加へとつながる重要な要素です。 


 
まず、サイトの表示スピードが速くなることで、ユーザーの離脱率が減少し、ページビューや滞在時間が増加します。また、UX(ユーザー体験)が向上し、ストレスを感じることが少なくなるため、サイトのブランディング力も強化されます。さらに、SEOの面でも、検索エンジンのインデックスが早まり、SERP(検索結果順位)が向上し、サイトへの流入が増加します。広告の効果も高まり、CPA(顧客獲得コスト)が削減されるため、より効率的なマーケティングが可能です。リコメンドツールの効果やアプリUXの向上にも寄与し、総合的にCVR(コンバージョン率)の増加に寄与します。これらすべてが積み重なり、売上の増加へとつながるのです。 


<サイトスピード改善の効果>

サイトスピードで最も重要な指標はLCP


最も使いやすく客観性のあるサイトスピード測定ツールが、Googleの「PageSpeed Insights」(https://pagespeed.web.dev/?hl=ja))です。
Chromeブラウザのユーザーが実際にWebサイトを表示したときの状況を収集して、CWVをスコアとして表示します。無料で利用でき、URLを入れるだけで結果が表示されます(集計のためにはサイト自体にある程度のアクセス数が必要なので、ユーザー数が少なすぎるサイトの場合は結果が表示されないこともあります)。自社サイトだけでなく、ベンチマークとしている他社のスコアも確認できます。


▼PageSpeed Insights

Core Web Vitalに含まれる指標は以下の3つです。
LCP(Largest Contentful Paint):最初のビューポート(ユーザーから見える表示範囲)に含まれる最も大きなコンテンツ(画像、動画、テキストブロックなど)が表示されるまでの時間
INP(Interaction to Next Paint):ユーザーがサイト内で行った入力(クリック、タップ、キーボード入力)に対する応答時間
CLS(Cumulative Layout Shift):サイトの表示中に予期しないレイアウトシフト(テキストや画像の移動)が発生する頻度

3つの指標の中で、ECサイトにとって最も重要な指標はLCPです。LCPはWebサイトのファーストビューの表示が完了するまでの時間、すなわち訪問者が「サイトが表示された」と感じるまでの時間を表しているからです。LCPが良いサイト=表示が速いサイト、LCPが悪いサイト=表示が遅いサイトと言い換えることができます。


Page Speed InsightでサイトのLCPスコアとして表示されるのは、コンテンツの読み込み時間の75パーセンタイル値(速い方から順に並べて75%の人が読み込みを完了できた時間)です。LCPが1.4秒ということは、サイトにアクセスした人の75%、すなわち4人に3人は1.4 秒以内にページが表示できているということです。Googleの基準では、LCPが2.5秒以下を「良好(緑)」、2.5秒から4.0秒を「要改善(黄)」、4.0秒以下を「不良(赤)」としています。




▼LCPの閾値(https://web.dev/articles/lcp?hl=jaより引用)

LCPが「良好」の閾(しきい)値を決めるときに参照されたのが、「ユーザーがタスクにフォーカスを失うまでの待機できる時間は約0.3秒〜3秒」という既存の研究成果です。Googleは、ウェブ全体でパフォーマンスが上位のサイトを分析し、上位サイトの75パーセンタイル値でキリの良い値として2.5 秒という基準を決定しました。逆に、LCPを「不良」と判定する閾値は、下位10〜30%程度のサイトを「不良」に分類するように探索して決めています。4秒に設定したことで、モバイルサイトの26%、PCサイトの19%がLCPスコアが「不良」と判定されるようになっています。


ECサイトのサイトスピードは1秒台の戦いへ


いま、国内で稼働しているECサイトは450万店舗を超えているといわれています。運営主体や、規模や業態もさまざまなサイトがある中、日本通信販売協会(JADMA)正会員企業が運営するECサイトは、社会的な信頼性が高く、テレビ局が通販会社の広告審査時に「JADMA会員であること」を出稿許可の必須条件とするほど、他のサイトとは一線を画しています。そのようなサイトであればサイトスピードについても取り組みが進んでいると考えて、、DOMOでは、今年初めて、JADMA正会員(2024年9月現在 414社)の運営する中で件数の多い、ファッション・靴/健康食品/コスメ・香水カテゴリーの全160サイトを対象に、PSIによるLCPスコアの調査を実施してみました。

<LCPランキング 上位30社スコア>

(JADMA正会員「ファッション・靴/健康食品/コスメ・香水)



トップ30社(全といいながら35社では、が含む)まれているのは、同じ秒数の会社が複数あるからです。1.2秒から1.7秒までに33社がひしめく状況となりました。Amazonは「ページ表示速度が0.1秒遅れるごとに売上が1%減少する」というデータを公表していますが、実際に現場ではまさに0.1秒の争いが繰り広げられているのです。

では逆に、下位から20サイトのLCPはどうなっているでしょうか。


<LCPランキング 下位20社スコア>

(JADMA正会員「ファッション・靴/健康食品/コスメ・香水)

※調査対象160サイトのうち、2サイトはGoogle Page Insightで計測不能だったためランキングから除外

ワースト20サイトはLCPが4秒を超えており、Google Page Insightの基準では「不良」と判定されます。この中には、大手百貨店やテレビでよく見かける通販専業会社のECサイトも含まれています。一般的なECサイトよりはマーケティングやウェブ施策をしっかりやっているJADMA会員のサイトであっても、ページスピードへの取り組みは遅れているサイトもあることがわかります。

計測不能の2社を除いた158社のLCPの分布をあらわしたのが以下となります。


<LCP分布 (JADMA正会員「ファッション・靴/健康食品/コスメ・香水」>

158社のうち、半数以上のサイトがPage Speed Insightで「良好」と判定されています。JADMA会員企業ともなれば、Googleの基準で「良好」で満足することなく、さらに0.1秒でも早くなるようページスピード向上に取り組んでいることがわかります。1.5秒を切って、ようやく上位10%に入るという熾烈な戦いが最先端では繰り広げられているのです。

表示速度をまったく全く意識していないということはなくても、「Googleの基準で良好なら合格点」と考えていたECサイトのWeb担当者は認識を改めるべきです。ぜひ一度、ご自身のサイトのLCPスコアを測定してみてください。上位のサイトと比べてどうだったでしょうか?


サイトスピードの高速化は、プロに相談しよう!

10年以上にわたり、サイトスピードの高速化に注力してきました株式会社ドーモ。国内で1,200件以上の一流企業のサイトやECサイトの高速化に貢献し、ノウハウを蓄積しています。専門技術者が速度遅延の原因を解明し、適切な解決策を実施します。自社サイトのサイトスピードを上げたいと思われた方は、サイトスピード高速化実績、国内ナンバーワンのドーモにご相談ください。

https://www.domore.co.jp/lp/speed


サイトスピードランキングダウンロード

今回、調査したJADMA正会員158サイト(JADMA正会員「ファッション・靴/健康食品/コスメ・香水」)の「LCPランキング」全データをダウンロード希望の方は、こちらからダウンロードできます。https://www.domore.co.jp/lp/jadma_ranking/download



(参照情報)
令和4年度電子商取引に関する市場調査
https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230831002/20230831002-1.pdf

ページ エクスペリエンスの更新に対応するための期間、ツール、詳細情 https://developers.google.com/search/blog/2021/04/more-details-page-experience?hl=ja

2023年 デジタルエクスペリエンス・ベンチマークレポート - Contentsquare - jp https://go.contentsquare.com/ja/2023-digital-experience-benchmark-explorer

楽天 24 がウェブに関する主な指標に投資したことで、訪問者あたりの収益が 53.37%、コンバージョン率が 33.13% 増加した理由
https://web.dev/case-studies/rakuten?hl=ja

【事例・株式会社売れるネット広告社】ランディングページ、CVアップの切り札は「表示スピード」だった。最大1.6倍に。 
https://www.wpojp.com/case/220217-2/

Core Web Vitals の指標のしきい値の定義 
https://web.dev/articles/defining-core-web-vitals-thresholds?hl=ja

【2023年最新版】国内のECサイト・ネットショップの総稼働店舗数 https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/80408

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